行ってきました。
このページは続きになりますので、
最初のストーリをご覧になりたい方は
こちらをどうぞ。
前回は、剱岳に近い剣山荘までの話
でしたが、ここではいよいよ剱岳に
向かいます。
【剱岳】ルート危険個所は?
今回、宿泊させていただいた、剣山荘はとてもきれいな山小屋でビックリ
しました。剣山荘のホームページはこちらです。
特に、水洗トイレには本当に驚かされました。シャワーも使えました。何でこのような
奥地にこれだけの設備が出来たのか、信じられませんでした。
スタッフの方々もとても親切で、しっかりと美味しい食事も用意してくれるので
登山前に万全の準備をすることができました。
好日山荘でチェックしてみてください。
現在、セール中みたいです。)
(剱岳登山の装備についてはこちらをどうぞ)
剣山荘に個室はなく、私たちは2階にある大部屋に泊まりました。ザックは部屋の
入口にある棚に置きます。
部屋は大きな2段ベッドが通路を挟んで両サイドにあるといった感じでした。
私たちは上段のベッドでした。ほとんど満室に近かったと思いますが、
隣の人との間隔はストレスがない程度にありました。
実際、とても快適でした。
翌日の起床は5時30分でした。けれど、ちょっと前に明るくなったので、
早めに目が覚めました。
朝食後、身支度をして出発です。荷物は必要最低限のものだけを持ちました。
真夏とはいえ、標高があるので肌寒く、レインウェアを着て剣山荘を出ました。
しかし、天候は快晴!風もありませんでした。最高の登山日和です。
まずは剣山荘から一服剱に向かいます。約30分のなだらかな登りです。
一服剱に着くと前剱がとても大きく見えます。ここで、前剱が剱岳ではないかと
錯覚してしまいます。それもそのはず、前剱の標高は2813mもあります。
一服剱からは最初は下りになり、その後だんだん急な登りになります。
前剱まで約40~50分の道のりになります。
剱岳の本番はまだ先なのですが、実はここから先が事故多発地帯になります。
特に帰りの下りでの事故が多いのですが、長いガレ場の道が続きます。
その後、直径8m程の大きな岩が見えてきます。ここから前剱の山頂に
続く鎖場が出てきます。鎖場には番号がついていますが、ここで③の
標識が出てきます。
急な岩場が続きますが、鎖もしっかりしているのですが、油断はしないように
ゆっくり進みます。
たまに分かりにくく思う箇所があるかもしれませんが、岩に矢印などで方向を
教えてくれるので、見落とさないようにします。
次に④の鎖場が出ると前剱の頂上はすぐです。
前剱を過ぎると、この辺から緊張する箇所が出てきます。前剱から下って
いくと、登山客が順番待ちをしている場所が出てきます。
そこには約4mの鉄の狭い橋があるのですが、両サイドは切れ落ちているので、
結構、高度感があります。
橋を渡るとすぐに鎖を使ってのトラバースになりますが、崖のような場所なので
見ているだけで緊張しました。
ここではやはり順番待ちになります。急いでも急がせてもいけません。
先の人は結構大きな荷物を持っていたので、時間がかかっていました。
これは無理と言って、引き返していく人達もいました。
私たちも気を付けて進みました。しっかり3点確保が出来ていれば難しいと
感じる場所ではありませんでした。
その後、右手に雪渓を見ながら進みますが、雪渓に入っていかないように
しましょう。事故の元です。
しばらくすると鎖場⑦になります。この先が平蔵の頭になるのですが、
ここから岩場の種類が変わります。
この辺はスラブ状の岩壁になるので、とても滑りやすいです。
鎖や、杭が打たれているのでステップにして進みます。
ここで何と、前の日にお会いした単独行の人と会いました。
ここからは3人で行動をしました。
その方は、今まで日本で数々の山を登っていたり、海外でも
マッターホルンなども登頂したことがあるそうで、さすがに
登山技術もしっかりしていました。
次の⑧の鎖場を通過すると平蔵のコルに出ると、登と下りの
分岐点が出てきます。
いよいよ鎖場⑨が剱岳登山の核心部カニのたてばいになります。
ここでは、よく順番待ちなるそうですが結構すんなりと進むことが
できました。
カニのたてばいは、ほとんど垂直に近い17mもある壁を登っていきます。
このような場所で、たくましく咲いています。
このように鎖場はしっかりしていますし、足がかりのないところには
杭も打ってあるので安心です。けれど滑らないように注意は必要です。
登っている途中、下をみるとこんな感じです。実際は、もう少し高度感があります。
まだまだ登ります。
崩れやすそうな感じですね。
だいぶ標高が高くなりました。頂上までもう少しです。
かにのたてばいを抜けると、あとは頂上まで比較的なだらかな斜面です。
しかし、ガレ場なのでゆっくり確実に気を付けて 歩きます。
山頂には、すでにたくさんの人がくつろいでいました。剱岳は針の山と言われていますが、
頂上はなだらかで結構な人が座れる空間がありました。
やりました!山頂です。でも、何か物足りない。と思っていたら、
山頂にあるはずの祠(ほこら)がどこを見てもありません。
(自宅へ帰ったあとで調べてみたら、どうやら雷に打たれて
破壊されてしまったらしいです。)
頂上に着いたのはお昼近くだったと思いますが、見て下さいこの天気の良さ。
まったく天気がくずれる気配がないので、ゆっくり座って休むことが
できました(少しガスっていますが)。
山頂で軽食を摂って、水分補給をしました。山頂でたくさんの人たちが写真を
撮っていました。
さて、登ったら今度は下りです。山頂は通過点なので、まだまだ油断はできません。
何故なら、登りよりも下りの方が怪我などの事故が多いのです。
下り始めてすぐにもう一つの難所の「カニのよこばい」です。
「カニのよこばい」は最初のステップが少し怖く感じられます。
なぜなら最初の足がかりが見えないからです。でも鎖はしっかりしていますし、
勇気を出して足を出せば、最初のステップを見つけることができると思います。
(写真は順番待ちです。下に降りるとすぐにカニのよこばいです。右方向にすすみます。)
後から来る人を見ると、このような感じです。迫力感が伝わるといいのですが。
その後、垂直のハシゴを降りていきます。ハシゴはとてもしっかりしていますが、
一歩一歩確実に行きます。(ここを降りると小さな小屋のようなものがあるのですが、
トイレだと思っていたら、トイレ用ブースと言われるもので、携帯トイレを持参して
中で用を足すみたいです。確かに私が通った時も何人かの人が並んでいました。
剱岳には管理されているトイレは無いので、必ず剣山荘で済ませる(宿泊者以外は
有料だと思いますが)ことをお勧めします。ちなみに剣山荘は信じられませんが水洗トイレです。)
登りと下りの連続ですね。
前剱の門⑬まで帰ってきました。 この先は、剱岳に向かうときとは
違う道を使います。なので行きの時に渡った鉄のブリッジは通らなくて
すみます。
かなり下ってきた感じがしますね。
眼下に剱澤小屋や剱沢キャンプ場が見えます。もうすぐです。
下りのガレ場が続きます。疲労度も高くなっているので、気が緩みがちですが、
気を引き締めて慎重に下ります。
剣山荘が見えてきました。ホッとする瞬間です。
【剱岳】難易度は?登山初心者でもOK?
これから剱岳登山をされる予定の方が一番気になるのは、やはり剱岳の
難易度だと思います。
私も、剱岳登山の計画を始めたときは、書籍を含めて色々な情報源から
剱岳について調べました。
出発前の準備は好日山荘《公式通販》でどうぞ。
確かに、前もって剱岳の全容を写真でみたりしたことは、とても参考になりましたし、
その他にも色々な情報が安全な山行に繋がったと思っていますが、
行く前と、実際に行ってみた剱岳の感想は違っていました。
まず、自分が感じた剱岳登山の難しさですが、難易度が高いと言われている
「カニのたてばい」や「カニのよこばい」を実際に体験してみて特に難しいと
感じるところはありませんでした。
けれど、それは危険な場所には鎖があったり、足がかりがないところには
しっかりと杭が打ってあって階段のようになっていたからです。
普通ロッククライミングの場合は、自分でルートを探したり、足がかかりも見つけなくては
なりませんが、剱岳(別山尾根)の場合はある意味コースは決まっていて、
そこを歩けば比較的安全は確保されている感じでした。
しかし、登るのに緊張した場所は、いくつかありました。ある場所では、ここで気を抜いたら
落ちる可能性があると思いました。落ちたらまず助からない場所もあるので、やはり
気を引き締めて登る必要はあると思います。
ここまで述べさせていただいたのは、剱岳登山時の天候が良い場合ですが、
雨などの悪天候の場合は、全く違っていて登山は中止にすべきでしょう。
視界が悪くなると道が分からなくなり、遭難する可能性もありますし
足場も滑りやすくなるため、事故が起こる危険性も高くなります。
最終的には、天候が一番大切なのではないでしょうか?
【剱岳】登山初心者でもOK?
最近は、たくさんの山の情報が比較的簡単に手に入るので、登山初心者でも
剱岳にご興味を持つ方はいると思います。
確かに天候に恵まれていれば、まだ登山の経験が少なくても剱岳登頂に成功する
かもしれません。
しかし、急に天候が悪化したり、体調が悪くなったりすることもありえるので、
どうしても行きたい場合は、ガイドをつけるか経験のある方に、同行してもらうのが
安全だと思います。
私は以前、ボルダリングのジムに通っていましたが、ボルダリングは岩登りの良い
練習になりました。
練習を重ねるとオーバーハング(突き出た岩)の下を垂直の壁面と
同じように歩くことができるようになりました。
ここまでやる必要はないと思いますが、確実な3点確保の技術が身について
からのほうが、剱岳をより楽しむことができると思います。
実際に自分で登った剱岳は、とても楽しかったです。
剱岳登山の後に立山縦走を行いました。ご興味のある方はどうぞ。
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