蝶ヶ岳登山に行ってきました。
今年の夏は天候が安定しない
日が多く、北アルプスでも
雨が多い年になっています。
山行予定日が悪天候の可能性が
高かったため、当初予定していた
槍ヶ岳-大キレット-穂高縦走の予定を
変更して蝶ヶ岳に登ってきました。
登山ルートや私が感じた難易度を
お伝えします。
【蝶ヶ岳】登山ルートは?
以前から予定していた槍ヶ岳-大キレット-穂高岳縦走は
今回も悪天候が予想されていたため残念ながら延期と
なりました。
山行前日に予定を大きく変更して、急きょ1泊2日で
蝶ヶ岳登山に変更しました。
(今回の山行計画は下記の通りです)(出発前に計画したもの)
(1日目)
上高地バスターミナル(6:00)-明神(7:00)-徳沢(8:10)-横尾(9:40)
槍見台(10:40)-蝶ヶ岳(13:50)-槍見台(16:00)-横尾(16:40)
(2日目)
横尾(7:30)-徳沢(8:40)-明神(9:50)-上高地バスターミナル(11:00)
上高地へは直接上高地バスターミナルまで行ってくれる
さわやか信州号 で行きました。
前日の夜に出発して、翌朝6時前に上高地に到着して
くれるので、初日から登山の時間を長く確保することが
できるので便利です。
ただ、私はバスで寝ることが全くできません。
そのため翌朝はとても疲れがひどく、その日は結構
辛い1日を過ごすことになります(山には登れてしまう
のですが)。
夜行バスなどで寝るのが難しい方は、乗り換えや時間の
ロスなどがありますが、昼間の移動が良いかと思います。
上高地バスターミナルには午前5時30分位に到着しました。
到着時、雨は降っていなかったので良かったのですが、
雲が厚く山は良く見えませんでした。
早速、おにぎりを食べてトイレを済ませたら出発しました。
(上高地バスターミナルにあるトイレは水洗でとても
きれいに手入れがされています。行動する前に
こちらで済ませることをおすすめします。)
久しぶりの上高地だったので、とても嬉しい気持ちで
歩き始めました。
久しぶりの梓川です。水は前と変わらず透き通って
きれいでした。
このきれいな梓川を含む北アルプス守っている人たちが、
どれだけ大変な思いをしてるのか考えるととても感謝の
気持ちでいっぱいになります。
横尾までは比較的平らな道なので、ペース良く進んで
いきます。
明神に着きました。先を急ぐのでトイレも寄らずに進みます。
明神からさらに1時間ほど歩くと、徳沢に到着します。
徳沢ではトイレ休憩をして、すぐに出発します。
途中、雨がぱらつく箇所もありましたが、ほとんど樹林帯を
行くのであまり濡れないで済みます。
徳沢から1時間ほどで、横尾に着きました。
今日は横尾山荘に泊まるのでこちらに荷物を預かっていただき、
そのまま蝶ヶ岳に向かいます。
ここで驚いたのですが、以前来た時と比べると横尾山荘がとてもデラックスに
なっていると思いました。トイレもきれいになっていて、建物も増えていたように
思います。
スタッフもとても感じが良かったので安心しました。
さて、本題に戻りますが、横尾からは荷物を少なくして出発しました。
これが正解でした(水(ボトル2本)行動食カロリーメイト、アミノバイタルゼリー)。
横尾から蝶ヶ岳に行く場合、最初から樹林帯の急登が続きます。
(約50分程で槍見台です。休まずに進みます。)
通常、登山では登って平らになり、また登るような感じが多かった
ように思いますが、蝶ヶ岳はとにかくどんどん登ります。
それも下地が粘土質で、その上に岩や石のガレ場が多くとても
歩きずらいのです。
なんだこれは?と思った時にはすでに遅く、コースタイム以上に
長く感じる急斜面で、体力をどんどん奪われていきます。
約3時間半の急登がすごく長く感じました。足場も悪くすべって
怪我をしないように慎重に歩きました。
高度が上がるにつれて、木の高さが少しずつ低くなってきます。
そろそろ森林限界が近づいてきたと思ったら、雨が急に激しくなった
ように感じましたが、今まで木々が雨を遮ってくれていたのだと
実感しました。
あたりは霧で覆われ、分岐点の近くにくると風も強くなり、雨具を身に
着けていましたが、顔はまるで洗ったかのようになりました。
常念岳(左)と蝶ヶ岳(右)の分岐のある稜線に出ると、そこからは比較的
なだらかな道になります。
稜線に出ると平らな道を行くのですが、岩に黄色か赤で〇の
マーキングを目印にすると間違えにくいと思います(ただし、
マップとコンパスは必ず持参してください)。
少し歩くと瞑想の丘(展望指示盤)があります。
頂上に着いたのか?と思ったのですが、まだもう少し先でした。
少し下り、そこからなだらかな登りになり、さらに先に行くと
蝶ヶ岳ヒュッテに到着します。
蝶ヶ岳は建物を右側から回って行くとテント場が左手に見えて
きます。
もう少し登ると頂上です。
霧で視界は悪かったのですが、平らですし、危険個所は特にはないので
問題なく登頂することができました。
到着時間も13:00前後と早めに着くことができました。
しかし、帰り振り向いくとなだらかなこともあり、戻る道が分かりにくく
思いました。
地図とコンパスで方向を確認をすると、道がはっきりと分かりました。
やはり基本を守ることは大切ですよね。
ここからは今晩宿泊する横尾山荘へ同じ道を戻ります。
蝶ヶ岳ヒュッテでトイレをお借りして、早々に下山を始めます。
時間的にも余裕が出来たと思っていたのですが、蝶ヶ岳登山は
ここからがある意味試練でした。
雨足はますます激しくなり、足元が滑りやすくなっていました。
(雨と気を抜けかったので、写真は撮ることができませんでした)
先ほども触れましたが、蝶ヶ岳登山の横尾からのルートは
急斜面な粘土質の登山道で、ガレ場も多くあるので
気を抜けない歩きが続きました。
一歩一歩しっかりと歩き続けたため、結構膝と腰が疲労
しました。
ゆっくりと歩くことになり、結果時間がかかることになり、
とても長い下りに思えました。
私の友人も膝に痛みが出てきたと話していました。
木で作られた階段も滑りやすかったので、怪我をしない
ことだけを考えて進みました。
短い時間の休憩を多めに取って、慎重に行動しました。
途中、ベンチがあるところが槍見台だと思い違えて、なかなか
横尾山荘に到着せずに、どうなっているのか?と思っていたら
本当の槍見台が出てきたときは2人ともショックでしたが、
それでも気は抜かないようにして下りました。
そして、ようやく横尾山荘が見えたときは心からホッとしました。
到着時刻は計画通りの16:40頃になっていました。
やはり登山は早めの行動が大切になると思いました。
上高地を出発してからトータル10時間以上過ぎて
いましたので正直疲れました。
(横尾山荘)
横尾山荘へのアクセスはこちらです。
横尾山荘でチェックインをすると、相部屋に通されました。
横尾山荘の相部屋は部屋の通路を挟んで両側に2段ベッドがあり、
1つ1つカーテンがついているので、プライバシーは確保されて
いたので、とても快適でした。
それに山小屋では珍しく風呂にも入ることができるので、
登山の疲れをいやすこともできます(ただし、石鹸、シャンプー
ヘアドライヤーなどはありません。石鹸などは環境を考えて
使ってないのかは分かりません。タオルはもらえます。)。
行動食しか食べておらず、お腹もすいていたので、
夕食券をもって食堂に向かいます。
夕食はとても美味しかったです。魚(サバ)や味噌汁、野菜、お新香、
ゼリーなどが提供されて、おかわりも自由にできる感じでした。
洗面台、水洗トイレ(トイレットペーパーはゴミ箱へ捨てます)も
完備されていてとても快適でした。
消灯は9時で就寝前は時間をもてあます方もおられると
思いますが、テーブルやベンチのある部屋で雑誌などを
見ることもできます。
自動販売機もあり、ビールを飲んでいる人もいました。
消灯時間が近づいてきたので、布団を敷き明日の準備を
しました。
この日は、本当に快適な環境でぐっすり寝ることができました。
翌朝は4:30頃になると、部屋のライトが点灯しました。
朝食は5:30から食べることができます。朝食券を持って食堂に
向かいます。
朝食もごはん、味噌汁、魚、卵焼き等々しっかり出してくれます。
外は大雨でしたが、今日は上高地に戻り、バスで帰るだけだったので、
ゆっくりと準備を済ませることができました。
午前8時頃になると雨もやんできたので出発しました(チェックアウトは9時)。
蝶ヶ岳登山は大変でしたが、とても充実した山行になりました。
【蝶ヶ岳】難易度は?
蝶ヶ岳登山を一言でいうと、「辛い」です。
特に横尾からスタートすると、最初から急登に
なるので、ペース配分が重要になると思います。
ひざなどが弱い方は、サポート付のタイツなどを着ておくと
楽かもしれません。
私は使用しませんでしたが、ストックもあると良かったかな?と
思っています。
体力に自信のない方は、上高地から一気に上がるのではなく、
横尾か徳沢で一泊してから、翌日蝶ヶ岳に向かう方が体力的・
時間的にも余裕があると思います。
ルート上は、緑のロープで道を間違えないようにしていてくれたり、
岩には赤か黄色で〇のマーキングをしてあるので、道迷いも
まずはないと思います。
それでもマップは絶対に必要です。
森林限界を超えて、木々が低くなってくると平らな道になるので、
天候が悪いと先が見えず、道が分かりにくくなる箇所もありました。
蝶ヶ岳登山でもっとも気を付けなくてはならないのは、粘土質の
登山道とガレ場です。
急坂なこともあるので、転倒は大きな怪我につながる可能性が
あります。特に下りは注意が必要です。
(蝶ヶ岳登山必要装備)
今回は、夏の登山で普通で考えれば薄着でも大丈夫と思われるかも
しれませんが、雨天などでは気温が一気に下がることもあるので、
きちんとした防寒具も必要です。
私が、持参したものは下記のとおりです。
雨具上下(ゴアテックス製)-特に大雨の時は、これがないと大変なことになります。
フリースジャケット(長そで)-持参はしましたが、今回は使用しませんでした。
登山靴-ハイカットブーツ(足首を痛めないためにも必要です)
行動食-横尾山荘-蝶ヶ岳往復では500mlのペットボトルの水2本と
アミノバイタルゼリーを2本持参しました。その他にカロリーメイト2箱、
チーズタラ、サラミ、燻製チーズなどです。
地図、コンパス、ガーミンGPS、グローブ(使用せず)
食料・水に関しては、蝶ヶ岳ヒュッテでも提供してくれるので、
調整してください(営業期間には気を付けてください)。
蝶ヶ岳登山は急登を数時間登り続ける体力が必要ですが、
ある程度基本的な登山技術・知識を持っている方であれば、
問題なく登れると思います。
しかし、雨の日の山行は滑りやすいのと、視界が悪くなり、
景色も何も見えないので、あまりおすすめしません。
今回、私たちは悪天候なのは分かっていましたが、
どうしても上高地に行きたかったのと、上高地から
行ける山に登りたかったこともあり、決行することに
なりました。
長い登りできつく感じましたが、登った後の達成感は
ありました。
上高地を散策することもできたので、大変楽しむことが
できました。
ご興味のある方は番外編上高地散策もどうぞ
(番外編)
最終日時間があったので、ゆっくり帰ることにしました。
まずは、徳沢園の「みちくさ食堂」で名物ソフトクリームと
コーヒーをいただきました。
うわさのとおりソフトクリームは濃厚クリーミーで美味しかったです。
コーヒーも自然の中で飲むと何故か特別美味しく感じるんですよね。
その後は、明神から横道にそれ明神橋(梓川の景色が最高です)を
渡って「嘉門次小屋」の名物囲炉裏の薪で焼いた塩焼きの岩魚を
食べに行きました。
岩魚(イワナ)は頭からしっぽまで丸ごと食べることができます。絶品です!
食後は、嘉門次小屋からさらに奥に行ったところに、穂高神社奥宮が
あり、その奥にある明神池にも行きました。
明神池は思ったよりも大きく、すぐに明神岳がそびえているので、
とても迫力がある景色を楽しむことができます。
それに、透き通った池には小島などもあり、とても幻想的な風景が
広がっています。
明神池を奥に進むと川が流れているところも見ることが出来ます。
明神池を見た後は、梓川の北側の木道を歩いて河童橋に向かいました。
途中、長雨のため泥道に水たまりもありましたが、樹林帯を歩くのは
とても気持ちが良かったです。
約1時間程歩くと河童橋に着きました。
その後、ランチを食べて、上高地バスターミナルには午後2時位に
到着することができました。
とても充実した2日間でした。
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