2014年11月17日、東レがアメリカの航空機メーカー
ボーイング社から、航空機のボディ等に使用する
軽量素材である、航空機用炭素繊維を1兆円分の受注を
したことが分かりました。
東レが米ボーイング社から1兆円の受注
東レは、世界ナンバー1の炭素繊維メーカーですが、
特に、航空機や人工衛星などの割合が多くなっています。
今回、東レはアメリカのボーイング社から
航空機用の炭素繊維を供給する契約を延長し、
1兆円分の受注をしました。
契約期間は10年以上で、現行のボーイング787型機や、
今後製造されるボーイング社の
次期大型旅客機「ボーイング777X」の主翼部分の素材として
炭素繊維を供給することで正式に契約をしました。
炭素繊維とは?
東レが、ボーイング社に供給する航空機用炭素繊維とは、
あまり聞きなれない言葉ですが、簡単に言うと
炭素からできた繊維です。
身近なもので、衣類であるセーターや、毛布などが
航空機のしなやかな翼などに使われている
炭素繊維の原材料になっているのです。
炭素繊維の製造過程では、アクリル(PAN)繊維を、
何度も蒸し焼きにすることで、余分な成分を取り除き
純度の高い炭素繊維がつくられます。
このようにしてつくられた炭素繊維は鉄の1/4の重さでありながら、
約10倍もの引っ張り強度があります。
その上、鉄などでは金属疲労やさびなどが起こりますが、
炭素繊維では、その心配もいりません。
その他にも化学的・熱などにも比較的に強いなど
広い範囲で安定しているため、絶対的な安全を求められる
航空機などに使用されています。
厳しい条件下でも長期的に性能を維持できるため、
今では航空機の胴体や主翼、尾翼などに使われています。
最近は、航空機にも燃費が重要視されています。
最新鋭旅客機のボーイング787型機にも炭素繊維が使われ
より軽くより遠くへ飛べることが可能になりました。
それに加えて炭素繊維は加工がしやすく、それがデザインなどにも
生かされていて、ボーイング787の綺麗な流線型の形だけではなく、
客席などのインテリアの快適性も格段に良くなっています。
今後も、航空機の需要は高まっていきます。東レはこれからも
炭素繊維の事業で世界を飛び回る航空機のように、
高く遠くへ羽ばたくかのように、事業を伸ばしていくのでは
ないでしょうか。改めて日本の技術力の高さを実感しました。
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