2015年4月22日(水)にソーラー(太陽電池)で
飛行する「ソーラー・インパルス2」が6番目の
目的地である南京に到着しました。
「ソーラー・インパルス」は次世代の航空機に
なるのでしょうか?
気になる「ソーラーインパレス2」のプロジェクトの
内容と飛行性能について調べてみました。
【ソーラー・インパルス2】プロジェクトとは?
「ソーラー・インパルス2」はスイスの団体「ソーラー・インパルス・ベンチャー」が
開発して、太陽エネルギーのみを使って、有人飛行で世界1周することが目標になっています。
2015年3月9日にアラブ首長国連邦の首都アブダビを出発しました。「ソーラー・インパルス2」は
1人乗りなので、2名のパイロットが交代で操縦します。
途中12か所の区間で着陸をして交代するそうです。飛行ルートはなるべく赤道上に近い場所を
経由して飛行します。経由地は、オマーンの首都マスカット、インド、ミャンマー、中国の北京、
ハワイ、アメリカ本土のアリゾナ州フェニックス、ニューヨーク、その後、南米か北アフリカを
経由してアブダビに到着予定になっています。
そして、成功すれば世界初の自然エネルギーを使った世界1周飛行になります。
【ソーラー・インパルス2】飛行性能は?
最初の「ソーラー・インパルス」1号機の初飛行が2009年12月3日に成功して、
その後、2010年7月7日~8日の間に26時間の連続飛行も成し遂げていたので、
飛行性能の実績はすでにありました。
今回、記録に挑戦している「ソーラー・インパルス」2号機は、1号機よりも
大きくなっていて、性能もよくなっています。
翼の両端の長さは72mもあり、重量は2.3トンになります。
長い翼には、太陽光パネルがぎっしり取り付けられていて、約1万7千個の
太陽電池により、4個のプロペラを駆動させ時速約90km(最高速度140km)で飛行します。
最高巡航高度は8500mで、最高上昇限度は1万2千mになります。
特に素晴らしいのが、日中にバッテリーに充電しておいた電力を使って
夜間飛行できるということです。
ということは航空燃料の給油を必要とせずに、悪天候や故障などのトラブルが
なければ1日中飛んでいることができるということです。
ところがここで、問題があります。「ソーラー・インパルス2」は1人乗りなので、
自動操縦を使うにしても、パイロットは飛行している間は十分な睡眠時間をとるのは
難しいと思います。
今回のプロジェクトで、2人のパイロットたちは経由地で交代しながら世界1周を
目指しますが、特に太平洋を横断するときは5~6日間を1人で操縦しなければなりません。
これは人間の集中できる能力の限界を超えているので、とても過酷な飛行を行うことに
なるのです。
無事に帰還できることが一番大切なことですね。
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