2023年の夏(7月~8月)の遭難者は過去最多と
なりました。
何故、今年はこれほど多くの遭難者が出たのでしょうか?
原因と対策を探ってみました。
2023年夏【山岳遭難最多】原因は?
警視庁が発表した2023年夏の山岳遭難件数は、前年よりも70件も多い738件で、
遭難者の数は、同様に23人多い809人に増えたそうです。
そして、死亡、行方不明者は昨年の同時期よりも16人も増え、61人になったそうです。
一言で遭難と言っても、原因はさまざまなパターンがあります。どのような原因が
あるのでしょうか?
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最初に、遭難という言葉を聞いた時に、どのような状況を想像するでしょうか?
一般的には、山岳地帯を歩いているときに、足を踏み外すなどして、滑落してしまうとか
道に迷って迷子になるイメージが強くありますが、実際には疲労や病気などにかかったり、
怪我などして、その場から動けなくなってしまっても遭難になります。
そして、今年の夏は上記に示した原因によって、遭難した登山者が多く、
特に、50歳以上の遭難者が全体の60%以上を占めていました。
遭難の原因で多かったのが、転倒などの怪我が一番多く、次いで道に迷って
帰れなくなった人が多かったそうです。病気になった人も多かったのも
気になるところです。
(私の友人がソロ登山で遭難しそうになったときの記事はこちらです)
このことから、今年の夏に遭難者が多くなった理由は、コロナでの制限規制が
解除されて初めての夏だったこともあり、久しぶりの登山で体力的にも
技術的(判断能力も含まれる)にも不十分だった人が多かったことが考えられると思います。
2023年夏【山岳遭難(】防ぐ方法は?
それでは、遭難を防ぐためには、どうすればよいのでしょうか?
まず、基本になって考えることが、必要になるのではないでしょうか?
私もそうですが、まず行き先を決めるときは、当日の天気が変わることなども
考慮に入れて、行き先は複数考えておきます。
行き先について、私の場合、優先度は難易度が高い山から(天気が悪い場合は中止)、
難易度が低い山(天気が多少悪くなっても登れる山)などから選びます。
そして、登ると決めた山の情報(マップや雑誌、インターネットから)を集めます。
それから登山計画書に、実際に行くルートや時間などを詳細を記入していきます。
私は、単独で山に行くことはないので、友人と話し合いを行い、ルートだけではなく
当日持っていく荷物や、どのような食料(水も)をどれくらい持っていくかの情報を共有します。
危険個所などについても、よく話し合っておきます。
体調管理もとても大切です。私は、日頃から筋トレを行っていますが、山に行く
3ヶ月前から山に合わせたトレーニングを行います。そして、1週間前になると
筋トレはやめて、コンディションを整えることに集中します。
山行当日の何日か前から天気図の確認をします。もちろん現地の天気予報も
チェックしますが、天気図を確認することで、より天気の予想がしやすくなります。
登山当日は、必ず登山計画書を提出してから登り始めます。
マップとコンパスで、いつも自分がどこにいるのかを把握します。やはりマップや
コンパスの使い方をマスターしておかないと、遭難する危険性は高くなります。
登山をしていると、よく「頂上はどちらですか?」とか、「方向はこちらで
合っていますか?」などと聞かれることがあります。
ご自身で、マップを読んでその上で分かりにくいから安全のために聞くなら
それは良いことだと思うのですが、標識を見て何となく歩いていて
分からなくなるのは危険だと思います。特に厳冬期の時期や、悪天候の日は
周りに人がいない可能性もありますから。
日本の山のノーマルルートには、必ずといっていいほど親切に行き先の表示などがあります。
だからと言って、それだけを頼りにすると、間違えて違う道(けもの道などに)
に入ったときに全く自分の居場所が分からなくなってしまいます。
(道迷いは特に木々が生い茂る低山で起こることが多いそうです)
車のナビと同じように、自分がどこにいるのかを把握できれば、道迷いが原因で
遭難することはなくなると思います。
次に、その山にあった服装や、靴選びなどもとても大切になります。
特に、靴は土を歩くか、岩場に行くかなどで、ソールの硬さ選びもすると、
より安全で快適な登山ができると思います。
最後にもう一つ、大切ないつも心がけていることがあります。
それは、無理は絶対にせず、危険を感じたら引き返すことです。
私の場合、厳冬期登山の時が多いのですが、天候が悪くなったり、
強風や、視界不良、コンディションが悪くなった時は迷わず
帰ります。
この点は、友人ともよく話し合っており、今でも途中で登山を
中止したときのことを、あの時無理をしないで良かったと
よく話します。
これから冬山シーズンが始まりますが、時間的に余裕をもった
計画、行動をすることで、心にも余裕ができより安全な登山ができると思います。
これ以上、遭難事故が起こらないことを願っています。
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